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狛江市民 小田急・狛江駅「準急」停車駅昇格で歓喜も通勤通学客の不満が必至か

来年春の小田急電鉄ダイヤ改正狛江駅が「準急」停車駅に

 2018年春に予定している小田急電鉄ダイヤ改正で新たに小田原線狛江駅に「準急」が新たに停車する。「準急」を新たに狛江駅に停車する理由として、1日の平均乗降者数が増加していることも要因ではあるが、小田原線複々線区間代々木上原駅登戸駅までに延伸し、複々線区間での本数増発が可能になったことが主である。

 ところで、朝日新聞では、今回の出来事について、以下の通り掲載している。

www.asahi.com

 こちらの記事では、狛江市民が狛江駅の利便性が向上することに関して歓迎の声を掲載している。

狛江駅の「準急」停車は主に日中以降のみ

www.odakyu.jp

 小田急電鉄が公開した上記のWEBサイトに掲載されたTOPICS内のニュースリリースに来年のダイヤ改正後の運行本数などが記されている。

 12ページをご覧に頂くと、日中と夜ラッシュ時に東京メトロ千代田線直通「準急」が上下線とも狛江駅に毎時2~3本停車することが伺える。

 だが、同資料の5ページをご覧になって頂きたい。

 朝ラッシュの千代田線大手町方面のうち、ラッシュピークに該当する大手町着7時58分~8時51分までの時間帯に運行される列車は、「準急」ではなく、速達性を高めた「通勤準急」として運転されるため、狛江駅は通過する。また、ラッシュピーク終了後に「準急」が3本運転されるも、その内2本は2駅新宿駅寄りの成城学園前駅始発である。

 また、残り1本のみは狛江駅に停車するが、この列車の大手町駅到着は9時46分と10時に近く、9時出勤が多い通勤利用者や8時台に始業を迎える通学利用者の足には大きく貢献しない。また、新宿方面へ利用する利用者は途中の代々木上原駅で新宿方面の列車に乗り換える必要がある。

朝ラッシュ「各停」本数は増便も新宿直通は減便

 現在、狛江駅に停車する新宿方面「各停」の本数は、朝ラッシュ時の7時台に9本運転されているが、2018年ダイヤ改正後は2本増発されて11本運転され、その内5本が千代田線直通列車として運行する予定である。8時台はダイヤ改正後も現行と同じ8本運転するが、その内2本は千代田線直通列車に変更される。

 つまり、新宿に直通する「各停」に限定すると、ダイヤ改正後の7時台は9本から6本に、8時台は8本から6本にそれぞれ減便となる。現在、朝ラッシュ時に成城学園前駅で接続する多摩ニュータウンや相模地域からの利用者が多い新宿行きの「急行」や「準急」を敬遠し、終点の新宿駅まで「各停」を乗り続けるユーザーにとっては、悲報であろう。

狛江市の市民アンケートでの不満は

 今回、朝日新聞の記事に掲載された、2016年度に狛江市が実施した市民アンケートにおいて、以下の意見があったようである。

「せめて準急くらい停車してほしい」

「急行偏重ですごく不便」

 確かに、来年のダイヤ改正では狛江駅には「準急」が停車するようになり、狛江駅から千代田線方面への移動が便利になることは間違えない。しかしながら、「準急」の運転は昼間以降のみで、朝ラッシュの「準急」は殆ど無い。

 また、狛江駅に停車する新宿行きの優等列車は今回も設定されなかった。つまり、利用者が多い朝ラッシュ時に新宿駅へ急いで向かう通勤通学客は引き続き成城学園前駅での乗り換えを求められるため、「準急」停車による恩恵は受けることができない。このことから、狛江駅の「準急停車駅」は名ばかり扱いされ、批判を浴びる可能性も高い

 また、今回の小田急ダイヤ改正では「各停」の増発より、「特急」や「快速急行」の増発、「通勤急行」の新設に重点を置いており、今回のダイヤ改正では現行より急行偏重になる。

 今回のダイヤ改正では、狛江市民にとっては上記の理由から、不満は解消しないのではと推測する。

 小田急電鉄も、複々線化工事時に狛江市に対して狛江駅に「準急」を停車させる旨を告げていた模様ではあるが、狛江市民は現行ダイヤの「準急」が全て停車すると思っていた方も多いであろう。だが、「複々線化」の蓋を開けると、朝ラッシュの「準急」は「通勤準急」に変更され、通勤通学利用者を中心に、期待を裏切られた市民も多いのではないかと予想している。